心魂レポート

箱根病院公演(神奈川県)

箱根病院公演(神奈川県)

 ただいま!箱根病院

社会人パフォーマー  黒井良子

今日は箱根病院
四年以上ぶりの対面
大人の神経難病の皆様、初めての野外。是非とも成功させたい…
心魂の中にも同じ神経難病のお子さんとご家族の仲間がいます。今日は来れなくて祈りながら過ごしてくれている託された想いがありました。

病院職員さんはフェイスシールドとマスク。看護師さんはスタンダードプリコーションで患者様の対応をされていました。ここはまだまだ感染に厳しい場所なんだということを改めて感じました。だからこそ今回野外でやれば感染は軽減され関係者以外が病棟へ入らなくても病室からでも聞こえるなど考慮して中庭で野外ステージの開催となりました。
会場設営が終わり、リハーサル開始となり美奈子さんがお久しぶりですこれからリハーサルで音が出ることを丁寧にご挨拶をする姿がなんとも美しくぐっときました。

会場になるスペースの落ち葉を拾う方
配信の準備をしてくださる方
延長コードで電源を確保してくださる方

ご家族用の椅子も用意されて、初めての試みを準備をしてくださいました。リハーサルから2階3階の窓から見てくださる方もいました。どの順番に中庭にお連れするか、巻き尺で安全の距離を測っていました。当日だけ私の見る限りでも、皆様が心待ちにして丁寧に準備してくださっている事を感じました。リハーサルを終え支度を整え、さあ!いよいよ本番に向かいました。
すると、中庭にはもうすでに沢山の患者様が前のめりに集まってくださっていました。

「ただいま!!ただいま!お久しぶりです」

4年離れていたのにこんなにも喜んで集まってくれるのか…ともうそこからこみ上げてくるものがありました。スピーカーから流れる音楽に、小鳥たちがさえずり、蝶が会場をふわ~っとめぐり、海風が通り抜け、新緑がまぶしくキラキラしていました。そしてお一人お一人の瞳から伝わるものに圧倒されるくらい熱いエネルギーを感じ、色んな感情に揺さぶられ、それでもここにいてくださるおひとりおひとりに物語がある。きっとある。そんな事を思い、メンバーさんが選択した曲がいちいち沁みて沁みて涙が静かに流れ続けました。

曲を口ずさむ方
目頭をおさえる方
真剣に見つめる方
職員さんと一緒に見てくださっている方

私はその姿に敬意を表して、真っ直ぐ姿勢を正して皆様を愛でて心で繋がりました。医院長先生も最初から最後まで患者様職員の皆様と一緒に見てくださいました。
あっという間の1時間。外に出て体力を消耗したかな…疲れていないかな…。
そう思ったのに、終わっても病室に帰らず

「がんばって!」
「感動した!」
「夜思い出して興奮して寝れない!」
「楽しみにしてました」
「晴れてよかった」
「心魂しか聞けない!」
「また来てね」

感想を話してくださいます。5メートルの距離をとって天の川のあっちとこっちのようにして歌を通じて心を通わせました。
最後にドクターが、
「自発呼吸が難しくなった患者さんが音楽を聞いて復活したんですよ。心魂の音楽にはすごい効果があると思いました!」
そう教えて下さいました。
その方の生き様がかっこよくて、ありがたくて、今思い出しても涙が溢れます。想いは受け継がれていくものならば、私達はどんな想いを次の世代に受け継ぎたいのだろうか…そんな事を思いながら箱根病院を後にしました。またお会いする時を楽しみにがんばります。
本当にこの機会を与えていただきありがとうございました。

写真はリハーサルより

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